ミーのドーン!!な、からだの錯覚のエキシビジョン!!!

注文の多い「からだの錯覚」の研究室展が2年ぶりに開催されます!3回目となる今年のテーマは、その名も「ミーのドーン!!」。錯覚という演出された空間の中で、いかにして演出から逸脱した「事件」を設計するか(ミーをドーンさせるか)、この種のアポリアをめぐって考案された小鷹研究室asオリジナル錯覚の多くが体験展示されます。ここ数年、TVや雑誌で紹介されてきた、皮膚を大胆に引き延ばすスライムハンド錯覚・ブッダの耳錯覚、頭の中に手が侵入するXRAYHEAD体験のほか、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を使った新作の錯覚が目白押しです。例年同様、鏡などの簡単な道具だけで体験できる即錯ツアーも開催します。この機会にぜひ遊びに来てください。

さらに、11月23日に開催されるゲストトークは『新写真論』との対話として、今夏『撮るあなたを撮るわたしを』が発刊されたばかりの写真家・大山顕をお迎えし、本展を主宰する小鷹研理とのゲストトークを行います。こちらは定員が埋まり次第、締め切ります。興味のある方はお早めにご予約を!


過去の展示の雰囲気を知りたい方はこちらをどうぞ。

  • 第2回:[togetter]|注文の多い「からだの錯覚」の研究室展2 #人体の幾何学的転回 (まとめ)(編集部イチオシ)
  • 第1回:[YOUTUBE]|EXHIBITION HIGHLIGHT(注文の多い「からだの錯覚」の研究室展、名古屋電映博2020)|小鷹研究室
展示概要
展示名
注文の多いからだの錯覚の研究室展3
ミーのドーン!!
概 要
日 時:11/22(金)12:30〜18:00
    11/23(土)12:30〜19:00
    11/24(日)12:30〜17:00
場 所:名古屋市青少年文化センター・アートピア(ナディアパーク内)[MAP]
主 催:(公財)名古屋市文化振興事業団(青少年文化センター) [WEB]
企 画:小鷹研究室as(名古屋市立大学芸術工学研究科)[WEB]
チラシ:[表面][裏面]
問い合わせ:名古屋市青少年文化センター(052-265-2088)
参 加 メ ン バ ー
(大学院)佐藤優太郎・高橋奈里・加賀美果歩
(学部4年)須川莉名・田中創大・長谷川彩乃・山口真央
(卒業生)伊藤杏・宇佐美日苗・石原由貴
(主宰)小鷹研理
>>>>前回の展示の様子

『新写真論』の大山顕氏を迎える充実のスペシャルプログラム!!

過去2回の特別企画では「メディアアートとの対話」「言語学との対話」として、異分野で活躍される識者をお招きし、濃密なクロストークをお届けしてきました。3回目となる今回は「『新写真論』との対話」として、今夏『撮るあなたを撮るわたしを』が発刊されたばかりの写真家・大山顕をお迎えし、本展を主宰する小鷹研理とのゲストトークを行います。


スペシャルプログラム1:ゲストトーク
テーマ
 『新写真論』との対話 私の中にいる座敷童をめぐって
概 要
日 時:11/23(土)16:00〜18:00
司 会:金井学(アーティスト)
登壇者:大山顕(写真家・ライター)
    小鷹研理(からだの錯覚の研究者)
定 員:最大で30名程度を予定
料 金:1500円(学生は1000円)
予約特典:即錯Tシャツ1000円引きチケット(22日の予約まで)
場 所:7th Cafe(ナディアパーク 7F)
予 約
以下のURLより、必要事項を記入して送信してください。一両日中に予約の可否をメールで連絡します。
https://forms.gle/r3MfKgJqshXexbbG8
内 容
 団地マニア・工場萌えなどの写真で知られていた大山顕は、2020年にスマホ時代の写真論をめぐるテキストとして『新写真論』を発表し、各所で大きな話題を呼びました。手軽となった現代のスマホによるカメラの撮影は、人間が(自己を含んだ)風景を日常的にどのように受容しているかの様式に、かつてないほど肉薄しています。大山のテキストは、いまや誰もが覚えのあるスマホのカメラワークを通して、かえって、今も昔も変わらぬ人間の普遍的な自己認識のフォーマットの特殊性を、鮮やかに炙り出します。こうした領域を越境する考察の中には、小鷹の近刊『からだの錯覚』『身体がますますわからなくなる』の問題意識と響き合うものが少なくありません。
 本ゲストトークでは、写真論と錯覚論の交差する場における自己のリアリティーの諸問題について、(大山の著作内で言及される)自己に宿る内的な撮影者としての「座敷童」を足がかりに多岐にわたる視点から幅広く議論します。前回にひきつづき、世界各国で制作を行うアーティスト金井学が司会を務めます。
>>>>前回のゲストトークの様子

スペシャルプログラム2:即錯ツアー
テーマ
 身体がますますわからなくなる

概 要
日 時:13時00分~13時50分、14時30分〜15時20分(11月23・24日のみ)
講 師:佐藤優太郎・高橋奈里ほか(名古屋市立大学芸術工学研究科)
定 員:各回最大で10名程度(予約不要:当日、定員が埋まり次第、締め切ります)
料 金:無料
場 所:7th Cafe(ナディアパーク 7F)
内 容
 小鷹研究室asでは、計算機の力を借りずに、鏡や日常の用品を使って即席に体験が可能な錯覚(即錯)を多数発表してきました。小鷹研究室の大学院生は、人間が認知的に身体のイメージをいかに形成するかを明らかにするとともに、錯覚を通して空想の限界がどこにあるかを、さまざまな心理実験を通して検証しています。本ツアーでは、これまでに発表した主な即錯を順次体験していくとともに、それら錯覚体験が有している心理学的な含意の解説も合わせて行います。2023年9月号の『子供の科学』で紹介された錯覚も多く扱います。親子での参加も歓迎します。
>>>>前回の即錯ツアーの様子

新作に加え、テレビや雑誌で紹介されたあの錯覚も!!

 研究室の主宰者である小鷹研理は、2023年以降「からだの錯覚」に関する単著を2冊発表し、その中で、さまざまなオリジナルの錯覚を紹介してきました。それらは、この2年の間だけでも、『探究の階段』(テレビ東京)『おはよう日本』『世界!おもしろ学者のスゴ動画祭 6』(NHK)『Science View』(NHK WORLD)『出川一茂ホラン☆フシギの会』(テレビ朝日)『大阪ほんわかテレビ』(読売テレビ)『フロンティア』(NHKBS)などの番組で大きく取り上げられてきました。本展では、これらテレビで紹介された主な錯覚(スライムハンド錯覚、ブッダの耳錯覚、XRAYHEAD GARDEN、DRUMMED HEAD)を全て体験することのできる、またとない機会になります。

新作

この他にも、HMD体験による新作が多数。
今後、関連映像をどんどんアップしていきます。

即錯

その他

小鷹研究室asの略歴
 『からだの錯覚』を中心テーマとして標榜している、日本で(おそらくは)唯一の研究室。研究テーマは、身体変形、空洞身体、幾何学的身体、幽体離脱、セルフタッチ、身体のモノ化など多岐にわたる。昨今、目まぐるしく刷新を繰り返すバーチャル・リアリティー(VR)技術を積極的に導入し、「具体的に体験可能なインタラクション装置」のなかで設計された一見すると異質な「からだ」のリアリティーを、様々な尺度で検証する。院生数人の少数規模のラボ形態を維持しながら、質の高い錯覚装置を多数設計し、毎年国内外の様々な展示に出展するだけでなく、自らも錯覚展示を定期的に企画する。

 2017年以降、アジア最大のコンピュータ技術の祭典「Siggraph Asia」のXR系部門に7つの錯覚装置を出展(2022年に『XRAYHEAD』が受賞)、国内ではVR/XR Creative Awardにおいて4つの作品がフィナリストに選出されるなど(うち2回で学生賞)、XRシステムによる錯覚設計において確固たる実績を持つ。また、世界的な錯覚のコンペティションであるBest Illusion Contest of the Yearにおいても、2019年より4大会連続のべ5作品(『SLIME HAND』『ブッダの耳錯覚』など)がTop10入りを果たす。これら錯覚の心理学的効果は海外の学術論文の中で検証されるなど、オリジナルの即席錯覚を国内外で積極的に発信され、これまでに旭川市科学館サイパル(現在常設)、名古屋市科学館(企画展)などで展示される。

 2019年、鏡とディスプレイを組み合わせたインスタレーション『ボディジェクト指向』が、第22回メディア芸術祭・アート部門の審査委員会推薦作品に選出され、同年アルスエレクトロニカのキャンバス展に出品。2021年には、ICC(新宿)において、ICCオープンスペース2021「ニューフラットランド」に参加し、半年にわたって 「小鷹研究室の錯覚論争 2016-20 / 頭部解放宣言」の展示を行う。さらに、関連イベントとして、同会場で、オープンラボ「頭部解放前夜」を実施。2023年には「わたしの身体は心になる?」展(東京有楽町)に小鷹研究室asとして参加するなど、首都圏での展示にも積極的に参加。

 2015年より、毎冬に研究室展示『からだは戦場だよ』をやながせ倉庫・ビッカフェで開催。5回目を迎えた「からだは戦場だよ2018Δ ボディジェクト思考法」では、過去5年の総決算として、3日間にわたり、展示に加えトークセッション・レクチャーを開催し盛況を得た(ゲストに古谷利裕など)。2020年より、戦場の展示スタイルを「名古屋電映博」のフォーマットに引き継ぎ、名古屋・栄を舞台に「注文の多いからだの錯覚の研究室展」として2年ごとに開催(過去のゲストに、谷口暁彦・水野勝仁・伊藤雄馬)。同展で、研究室オリジナルの錯覚レシピを紹介するブックレット『即錯23』を発表。

 研究室の主宰者である小鷹研理は、2019年に認知科学会より第7回野島久雄賞を受賞。2023年に講談社ブルーバックスより『からだの錯覚』を上梓。2024年には『身体がますますわからなくなる』(大和書房)を出版。2024年9月には、小説集『セザンヌの犬』(古谷利裕)との合同新刊記念イベントが巣鴨で開催される(司会・山本浩貴)。これらの出版と前後して、雑誌『子供の科学』で巻頭特集が組まれたほか、NHK『おはよう日本』でも特集が組まれるなど、様々なメディアで「からだの錯覚」が紹介される(NHK WORLD、NHKBS、日本テレビ、テレビ朝日、テレビ東京、週刊現代、朝日新聞、毎日新聞、中日新聞など)。